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2001.7.6.FRI.AM.5:12
都内町谷署管内で発生した連続誘拐殺人事件を追いかけていた警視庁捜査一課の警部・日下部清竹が、何者かに頭部を殴打され、重傷を負って発見された。日下部は容疑者と接触している可能性が高く、それ故に、何らかのトラブルに巻き込まれたのではないかと見られている。
今回の事件は、生存者が1名保護されているものの、命を奪われた犠牲者は、すでに5名を数え、7番目の被害者と思われる「橘由美」は、いまだに消息不明のままである。これまでの犯行では、犯人は誘拐後、一定の時間が経過してから被害者を殺害し、目立つ場所に遺体を遺棄している。
この傾向が守られるなら、「橘由美」はまだ生存している可能性が高い。しかし、彼女の行方に迫った日下部は事件のカギを握りしめたまま意識不明となってしまった。
「橘由美」といえば、政界にも発言力のある<橘財団>理事長、橘せつの孫娘である。この状況を知った財団所属の<ラボ>の所長・大槻は、数年前に中止したプロジェクトの被験者である少年を使って、日下部の意識の奥底を探るよう橘せつに上申した。孫娘を救いたい一心で警察庁に願い入れるせつ・・・。何よりも人命の保護を優先させたい警察庁は遂に英断を下し、日下部の身柄を<ラボ>に搬送したのである。
そしていま、搬送されてきた日下部を目の前にして、いま少年はその特殊能力を用い、初めて他人の意識内へと潜入しようとしている。かつて誰も踏み入れたことのない意識の深層<es>の領域へーーー真相を求めて踏み込もうとしている少年は、いったい何を見るのだろうか!? |
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